アジアで急成長中のヘッジファンド「アローポイント・インベストメント・パートナーズ」が、香港での事業拡大を進めています。このファンドは、元ミレニアム・マネジメントのアジア共同CEO、ジョナサン・シオン氏によって設立され、7月に取引を開始しました。現在、投資家にはブラックストーンやカナダ年金制度投資委員会(CPPID)といった大手が名を連ねています。
香港オフィスの拡大
関係者によると、アローポイントは香港のワンチャイ地区にある新しいオフィスビル「シックス・パシフィック・プレイス」の22階(743平方メートル)をリースし、来年第1四半期に移転を予定しています。事業は急速に拡大しており、従業員数もシンガポール本社を中心に約100人まで増やし、そのうち60%がシンガポール、残りが香港に配置される計画です。トレーディング・チームも20以上に増員される見通しです。

グローバルヘッジファンドの逆行する動き
香港では近年、地政学的な緊張や資本市場の低迷から、多くの外資系企業がオフィスの閉鎖や縮小を余儀なくされています。しかし、シタデルやノースロックといったグローバルヘッジファンドは、こうした潮流に逆行して香港での存在感を強めています。業界関係者によれば、低税率や豊富な人材が香港の魅力として挙げられており、アローポイントもこの流れに乗っていると言えるでしょう。
アローポイント・インベストメントの急成長は、香港およびシンガポール市場での新たなヘッジファンドビジネスの一つの象徴とも言えます。今後の展開に注目が集まっています。
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