SNSを利用した投資詐欺とロマンス詐欺が急増しています。警察庁によると、2024年の被害額はSNS投資詐欺で約641億円、ロマンス詐欺で約236億円に達し、特殊詐欺を超える深刻な状況です。被害者はインスタグラムやフェイスブックの広告やDMに誘導され、LINEやウェブアプリでのやり取りを通じて投資話を持ちかけられます。偽のアプリや投資サイトを使って高配当を装い、多額の現金や暗号資産をだまし取る手口が増えています。
マイナンバーカードを活用した対策:
詐欺被害が拡大する中、警察庁とデジタル庁はマッチングアプリ業界に対し、マイナンバーカードを使った本人確認を要請しました。ただし、マイナンバーカードの提出は任意で、義務化には至っていません。政府はマイナンバーカードで認証を行ったアカウントに認証マークをつける仕組みの導入を推奨しており、安全性を向上させるための対策が進められています。
具体的な事例:
兵庫県の60代女性がインスタグラムのバナー広告から投資話に誘導され、偽アプリをダウンロード。1億円以上を振り込んでしまい、振込先の口座が次々と変更される状況に気づいて被害が発覚しました。
広島県の40代男性はフェイスブックのDMで日本人女性を名乗るアカウントに誘導され、ビットコイン取引を勧められました。指定されたビットコイン口座に送金し、1億1000万円を失ったケースです。
ロマンス詐欺:
ロマンス詐欺の手口では、マッチングアプリが使われることが多く、兵庫県の50代男性はマッチングアプリで知り合った女性に「ビットコイン投資をしないか」と誘われ、1億2000万円以上のビットコインをだまし取られました。このような詐欺では、投資の話を信じさせるため、偽の投資アプリや利回りが表示されたスクリーンショットを使用し、被害者を巧みに騙しています。