奈良地裁葛城支部は17日、虚偽の投資話を持ちかけ、会社の社長から1億円以上を騙し取った罪で起訴されていた男に対し、懲役5年6か月の実刑判決を言い渡しました。
被告である溝口耕児(71)は、2020年から2022年にかけて顧問契約を結んでいた会社の社長に対し、「政府系金融機関に資金を預ければ金利が得られる」と嘘の投資話を持ちかけ、1億1000万円を騙し取ったとされています。検察側はこの行為を重く見て、懲役7年を求刑していましたが、被告は裁判で全ての起訴内容を認めていました。
判決で、裁判所は「被告は、信頼を寄せていた被害者の心情に付け込んだ非常に悪質な犯行を行っており、現時点で返済の見通しが立っていない」と厳しく指摘しました。一方で、被告が反省の意を示している点や、高齢であること、また健康状態も考慮され、懲役5年6か月という実刑判決が下されました。