大阪府内で、国際電話を悪用した特殊詐欺が急増しており、今年に入ってから8月末までの8か月間で、約40億円近くの被害が確認されています。特に、高齢者がターゲットとなり、大きな被害を受けています。
詐欺被害を防ぐため、救世主として登場したのが「自動通話録音機」です。大阪市では、この装置を無償で貸し出しており、設置した家庭での特殊詐欺被害は「ゼロ」であることが報告されています。利用者の声からも、その効果が確認されています。
大阪府で急増する国際電話詐欺|被害額は前年比14億円増
大阪府内の警察によると、今年8月末までに確認された特殊詐欺の被害額は約38億8000万円で、前年同期比で約14億円の増加が見られます。この急増の背景には、国際電話を利用した詐欺が関与しているとされています。
警察は、「国際電話を利用しないことで詐欺被害のリスクを減らせる」として、国際電話の利用停止を推奨しています。16日には大阪市鶴見区の商業施設で、警察官が高齢者に対して「国際電話の利用休止」や「自動通話録音機」の利用を呼びかけ、注意喚起を行いました。
詐欺防止の鍵は「国際電話の利用停止」と「自動通話録音機」
多くの詐欺電話が固定電話にかかってくることが確認されており、警察は国際電話を利用しないことで被害を防げるとしています。16日には、国際電話の利用停止手続きの窓口も開かれ、高齢者が次々と手続きを行いました。
80代の女性も、還付金詐欺で友人が騙されたことから国際電話の利用停止を申し込み、「これで少し安心できます」と話しています。
救世主「自動通話録音機」の導入で詐欺被害ゼロ
特殊詐欺被害を防ぐため、最も効果的なツールとして注目されているのが「自動通話録音機」です。この機器は、電話がかかってくると自動で「この通話は録音されています」とアナウンスし、不審な電話を防止する仕組みです。
昨年からこの機器を使用している大阪市鶴見区の73歳の男性、山本貴雄さんは、「録音のアナウンスを聞いてからかけ直してくる人は、本当に用事がある人だけ。変なセールス電話もなくなりましたし、安心して電話を取れるようになりました」と効果を実感しています。
大阪市では、65歳以上の高齢者がいる世帯に対し、この「自動通話録音機」を無償で貸し出しており、設置費用も無料で対応しています。これまでに約7000台が貸し出されましたが、利用者が詐欺被害に遭った事例は1件もないとのことです。