年金の将来不安につけ込む詐欺が多発しています。警察庁によると、2023年のSNS型投資詐欺とロマンス詐欺の被害総額は455.2億円を超えています。詐欺師は、InstagramやFacebookの広告からSNSへ誘導し、「老後の年金に頼れないから投資をしよう」と勧誘。AIを利用したFXや暗号資産の自動売買などを提案し、被害者を信じ込ませます。
一度お金を振り込んだ後、詐欺師は巧妙に「手数料」や「税金」を名目に追加で資金を要求してきます。被害者は、詐欺師の指示に従い、指定された銀行口座に振り込むことが一般的です。しかし、多くの場合、振り込まれたお金は即座に引き出され、口座凍結が行われても残高がほとんど残っていないことが多いです。
銀行口座を凍結して少しでも残高があれば、仮差押えや訴訟提起によって部分的な回収が可能な場合があります。しかし、全額回収できるケースは稀であり、詐欺被害者の多くは金銭的に苦しい状況に追い込まれます。振り込め詐欺救済法に基づく公告で口座の残高を確認することができ、凍結された口座の名義人に対して法的措置を取ることが推奨されます。
2次被害のリスクと弁護士の選び方
投資詐欺被害に遭った後、さらに注意すべきは、弁護士による2次被害です。一部の弁護士はリスクを軽視し、被害回収の可能性を過大に伝えて着手金を取るケースがあります。ネットで過剰に広告を出している弁護士や、相談時にリスク説明がない場合には注意が必要です。着手金と成功報酬のバランスが取れていない場合も、疑わしいと考えましょう。
詐欺被害を防ぐために
詐欺師は巧みに「老後のための資産運用」や「安心できる投資話」を持ちかけてきますが、ネット上の儲け話はほぼ詐欺と考えたほうが良いでしょう。特に、SNSやインターネット広告を介した投資話や副業話には十分な警戒が必要です。常に第三者の意見を求め、慎重に判断することが大切です。