北海道警厚別署は、SNSを利用した株式投資詐欺で札幌市厚別区に住む70代の男性が約2億4千万円をだまし取られる被害に遭ったと発表しました。この被害額は、道内では過去最高額となります。
詐欺の手口
被害者の男性は、もともと大手企業の株式を保有しており、売買タイミングの情報をインターネットで調べていました。今年7月上旬、無料相談サイトを通じて「株投資の勉強会」というSNSグループに誘導され、そこで詐欺が始まりました。
男性は、グループ内で「著名な経済学者のアシスタントで証券会社のアナリスト」を名乗る女性から、「優良銘柄の情報」や「IPOの独自ルートで100万株以上購入可能」といったメッセージを受け取りました。また、「投資コンサルタント」を名乗る人物からも「絶対に利益が得られる」と勧誘され、信じ込んでしまいました。
惑わされた「18億円」の利益表示
男性は9月11日以降、計21回にわたって300万円から1000万円の送金を行い、送金総額は2億4千万円に上りました。さらに、パソコンの画面上では18億円の利益が表示されており、これを現金化するための手数料として、1千万円を計5回振り込むよう指示されました。しかし、最終的に現金を受け取ることはできず、男性が知人に相談したことで詐欺と判明しました。
SNS型投資詐欺の広がり
このような「SNS型投資詐欺」は全国的に被害が拡大しています。先月には茨城県で70代の女性が8億900万円をだまし取られる事件も発生しました。道警は、「SNSで知り合った相手から現金振り込みを求められた場合は詐欺を疑い、すぐに『#9110』へ相談してほしい」と呼びかけています。